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2012年作の『Kuopio』以来2年振りのリリースとなる、フィンランドのSasu RipattiによるVladislav Delayのフルアルバム。ここ2作のアルバムをリリースしていたRaster-Notonや、それ以前の自身のレーベルHuumeからではなく、今作はHuumeとは別にSasu Ripattiが2013年に立ち上げた新レーベルRipattiからのリリース。Ripattiはアートワークが統一された12インチEPをリリースするレーベルでしたが、今回はじめてCDがリリースされました。
『Visa』というタイトルが付けられた今作は、2014年初頭にツアーのためにアメリカに訪れた際に入国が許可されずツアーがキャンセルとなり、それでスケジュールが空いた2週間で一気に作り上げたアルバムとなります。霞がかった不鮮明なトーンで空間を覆うシンセのドローン、仄かにぼやけた空間で不規則に行き交う断片的なエレクトロニクス、パルス音、機械的なクランチ・ノイズ〜グリッチ・ノイズ、歪んだベース音などのトリッキーなサウンドのループが絡み合い構築された、ミニマルなエクスペリメンタル〜インダストリアル〜ドローン・サウンド。ベースや刻んだシンセ、ノイズなどがシャープに弾けて時おりリズムを刻みながらも、基本的には今作はビートを排したコンセプトの作品で、瞑想的な揺らめきと微細なサウンドによる深遠なエレクトロニック・サウンドを繰り広げています。全5曲53分収録。