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2008年作の前作『Angst Is Not A Weltanschauung!』以来3年振りのリリースとなる、オーストリアのB. Fleischmannのフルアルバム。今作は2007年作の2枚組アルバム『Melancholie / SendestraBe』と同じように、各ディスクに長尺の全1曲のライヴ・レコーディングの音源を収録した2枚組アルバム。
Disc-1はタイトルにもなっている通り、この曲の録音の数週間前に亡くなったMark Linkous (Sparklehorse)に捧げられた、47分に渡る4人編成でのライヴレコーディングトラック「For M (a tribute to mark linkous)」を収録。ゆったりとしたテンポのリズムに、なだらかなギターフレーズ〜ラップスチール、オムニコード、チェロなどの生音のメランコリックなフレーズと、温かみのあるエレクトロニクスが優しく鳴らされる、黄昏のアコースティック・インスト〜ポスト・ロック。途中アブストラクトなエレクトロニック・サウンド、ノイズやシンセのドローンなどを用いたエクスペリメンタル寄りの展開も交えていますが、全体的にはSparklehorseのサウンドも思わせるような、しんみりとした感動的な世界を緩やかな流れでゆっくりと染み渡らせています。Valeotの主宰者であり、Slon、Tupolevのメンバー、Port-RoyalのサポートメンバーでもあるAlexandr Vataginがメンバーのひとりとして参加しています。Disc-2はバンド編成ではなくソロで出演した、2010年6月に行なわれた『festival irritationen II』での37分のライヴレコーディングトラック「Mikro_Kosmos」を収録。ミドルテンポのトライヴァルなビートと、浮遊感のあるシンセ、スペーシーなエレクトロニクス〜エフェクト音や、ノイズ、重たいベースなどが絡み合う、サイケ〜クラウトロック、なテイストも盛り込んだコズミックなエレクトロニック・サウンド。少しディープなエクスペリメンタルな一面も持ちながらも、穏やかな聴きやすさや心地良い揺らぎをキープしている、こちらもDisc-1と並んで繊細で美しいB. Fleischmannらしいトラックに仕上がっています。B. Fleischmannの長尺トラックにファンのかたに今回もオススメな2枚組アルバムです。
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